2015/05/28 第8回 初歩からの宗教学講座

記:多谷ピノ
5月28日(木)、第9回初歩からの宗教学講座が練心庵で行われました。
今回のテーマはユダヤ教。
厳しい食規範など、戒律の多さで知られている宗教です。
「宗教のことを知っているから、尊重できるとは限らない。知っているからこそ生まれる差別もある」という釈先生の言葉は、「だからこそ敬意を持ち合うことが大事だ」と続きます。
信仰を持つ人にとっては、人生そのものである宗教。
先人から続く人格の主体である宗教を踏みにじることが、いかに残酷なことかを述べてくださいました。
また、ユダヤ教では安息日を大切にし、その日は極力なにもしないようにしているそうです。乗り物にも乗らず、歩いてシナゴーグまで出かけるユダヤ教徒たちの姿に、「出来るけど、しないというのは大切」だと教えてくださいました。
できる技術があるからと、片端から実行していけば、本能の壊れた動物である人間はリミッターが効かず、滅亡に至る可能性もあるでしょう。第一、資源が枯渇する。
「出来るけどしない」というフレーズに、ハッとさせられました。現代社会を生きる我々にとって、今、欠かせない視点ではないかと感じたからです。