2016/06/11 第1回【寺子屋数学ゼミ-岡潔の世界-】
6月11日、森田真生先生を講師にお招きしまして、第1回「寺子屋数学ゼミ」を行いました。
そのときの様子を参加者の大西龍心さんがFacebookでリポートしてくだいました。
ご本人の許可を頂いてここに転載させていただきます。
皆様もどうぞ講座のご感想などお寄せください。
今日の練心庵は森田真生氏による【寺子屋数学ゼミ-岡潔の世界-】
テーマは「exploring the mechanism of “I-ing” from within & without」ということで、岡潔氏の数学的探求を座標軸に人間とは何か人間の心とはという問題を考えていこうというまさにゼミ形式の講義。
数学ゼミと銘打ってはいるが、問題とされるのは” I-ing “という言葉に象徴されるように、私という存在は実態でなくプロセス、行為であり、dancingという行為の連続がdanceを創るように”I-ing”が”I”を創るというどこか「心相続」を想起させられる視点も提示される。
またwithout、いわば客観性の限界とwithinいわば主観性の危険に注意しつつそれをカップリングするという点も非常に興味深い。
もちろん数学的な話も随所に出てきておりガウスの独自の感覚と複素数の発見(?)の話など虚数である” i ”が何か実体化して現れてきたような気がしたし、コーシーの積分定理は初めて聞いたけれど数学の演奏会を聞いているような美しい展開だった。
そしてその数学的な話の中からlocalとglobalへと展開していきそれぞれが情緒と情に繋がっていく。この話を聞いた時にふと感じたのはいわゆる仏教的な「悟り」と言うものは語り得ることの出来ないglobalなもので、その「悟り」を個々に体験したlocalな経験のみが語り得るものであるのではないかということ。これはこのゼミを通してゆっくり考えていきたい。
その他、”I-ing”と”I making”のちがいなどは今後考えていきたい点であるし、autopoiesis(自己創出)とDukkha(苦)の問題なども引き続き聞いてみたい。
なんだかまだ全然まとまらないが、次回までの課題をゆっくり見つめていこうと思う。
(記:大西龍心さん)